さよならユニバース

日々をごちゃまぜリミックス

The hole

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逃げ出せばいいよ

全てを放り出せばいいよ

些細な拍子に

壊れてしまう前に

King Gnuの「The hole」は傷ついた私の心にじんわりと、ゆっくりと、染み込んでいく曲だ。昔に色々あったこともあるのか、人と関わることが苦手で物が無くなるとすぐに人を疑ってしまう。そんな、人を疑うくらい心が真っ暗な時もあれば、「今日は大好きなバンドメンバーに会えるぞ」とか前向きに考えられる明るい心の時もあったりして、まるで天気予報みたいでぼーっと外を眺めているだけで自分の空っぽな心を見てるような気がした。夜の道を車で走ると変電所から長く長く伸びている電線を繋いでいる送電塔がたくさん立っていた。夜に見る彼らは暗闇で赤いランプがほんのり付いたり消えたりを繰り返していて少し不気味に思えた。赤いランプを見たら大阪に行けなかった悔しさが今になって蘇ってきた。自分の心の警告のように見えた。ここでひとつ我慢をすることになってしまったのがつらい。冬休みと言えど、課題は山ほどある。休み明けにはすぐ6限までの授業と考査。ここでまた我慢をしなければならない。投げ出したくなるような科目を硬い椅子に座って、少し狭い机に向かって考査を受ける。勢い余って解答用紙に穴が空く。私の心みたいだ。そこから何かが溢れてきて溜めていたタンクがもういっぱいになってしまっていた。「辛いときは誰かに頼れ」なんて綺麗事だ。世界の片隅に灯るかすかな光を掻き集めたって埋まらない穴だ。溢れ切ってしまえばすっきりするのにそうはならない。自分で無理やり包帯をまいて無理やり傷をとじるのだ。自分の身は自分でしか守れない。大きくなるにつれて社会は面倒臭い。高校生はもっと楽しいものだと思っていた。選んだ高校を間違えたのか、関わる友達を間違えたのか、生まれる家を間違えたのか、「世の中でいうJKはこういうものだ」という思い込みでしかないイマジネーションはすぐに現実の闇にかき消される。