さよならユニバース

日々をごちゃまぜリミックス

きんかんの木

母親の実家のすぐ近くに、きんかんの木があるお家があった。そのお家には優しくて可愛らしいおじいちゃんとおばあちゃんがいて、子供の頃に「きんかん良かったらお食べ」ともらって、初めて食べたときに美味しくて驚いたのを覚えている。今はそのお家に誰もいなくて、別の人が買い取ったらしいが、10何年経っても同じようにきんかんはその木に実っている。

年明けに近くを通りかかると変わらずきんかんが実っていた。日当たりがすごくいいのが、今年も大きく育っているように感じた。祖母がそのきんかんをもらってくれていたので、3つほど持って帰った。

1つ食べた。やっぱり美味しい。皮を食べると、その皮の程よい厚みと甘さが口の中に広がる。中の実まで私は食べるが、酸っぱいけれど美味しい。今思い出しながら打ち込んでいるため、唾液がドッと出て面白くなっているが、季節ものなので美味しく頂いた。

今、きんかんの木があるお家は建て替えをしているようで、木が無くなったらどうしようと少し寂しくなった。私が成長するにつれて、母親の実家に通う回数が減ってしまったから周りの人とも交流が減って、私の知らないうちに亡くなっていたり、入院されていたりして、この辺り一帯の高齢化や衰えを感じたりした。私の祖父も少し忘れやすくなっていて、不安に思うことが多くなった。私に何か出来ることを探さなければと思う。2024年はみんなが程よく幸せに、つらいことが少なくあればいいなと思った。

きんかんの木は無くならないといいな。