さよならユニバース

日々をごちゃまぜリミックス

大皿料理

今日はバンドメンバーと晩ご飯を食べに集まった。午前中はお互い別の用事で外に出てたけど結局駅前にいるからってことで晩ご飯を食べた。去年のメンバーの誕生日10月以来だった。

17時半くらいに集まれて「プリ撮ろう〜」って言われたから4人で撮って丁度いい時間になったからお店に向かおうとしたら、メンバーの1人が「あ!ない!」と忘れ物に気づいたらしく、午前中のお店へドラムの子とダッシュで向かった。私とギターの子は座って20分くらい待ってたけど割とすぐ帰ってきた。でも、行こうと思ってたお店はいっぱいで、なんと10組待ちだった。「諦めて他のお店にしよう」と提案して、マップを見に行った。忘れ物を取りに戻った子が「ほんまにごめん」と何度も謝ってたけど「ええよ誰でも忘れ物するし大丈夫やで」とみんなで落ち着かせた。なかなか決まらないので一人ひとつずつお店を提案してルーレットアプリで決めることにした。わたしは中華、ドラムはとんかつ、ギター①はカレー、ギター②は洋食にした。「START」を押すと軽いドラムロールが流れる。ゆっく〜りと止まったルーレットはギリギリのところで中華を指していた。内心、適当に言ったジャンルになってしまったが、行ってみた。お店は繁盛していて、2組待ちだったが、名前を書くと意外とすんなり入れた。「何頼む?」と大きなメニューを開くと小籠包が目に入って4人揃って「これは頼もう」と一致した。その次のページでは私が「エビチリ食べたい」とお願いするとOKをくれた。同じページに載っていた大餃子も注文した。その次、主食だ。ここでチャーハン戦争が起きた。「玉子レタスチャーハン」か「五目チャーハン」で決まらないのだ。

「玉子レタスチャーハンとか家で食えるやん」

「いや、オカンとはレベルがちゃうやん」

「いや、今オカンディスってるやん」

しょうもない言い合いが続いたあと、玉子レタスチャーハンが折れ、五目チャーハンを頼んだ。

真ん中に置かれた五目チャーハンを4人で取り分ける。「めっちゃいい匂いや」「もう美味しい」と食べる前から美味しい発言をするほど空腹だった。

4人で手を合わせて、いただきますを言った。れんげで少しすくって出来たての五目チャーハンを頬張る。思わず「ん〜〜!」と声が出るほど美味しかった。他の3人の顔を見ると幸せそうな顔で食べていた。その間にエビチリ、小籠包、大餃子も到着し、小籠包に手を伸ばした。れんげに乗せて、少し割れ目を入れて汁を吸う。極上の旨みの液体だった。ドラムとギター②は絶妙に下手くそで汁をこぼした。そんな中華たちを4人で食べて食べて、満腹になった。

会計は4人で割り勘をするのだが6,655円という割り切れない数で困ったが、ここが我々学科の力の見せどころ。1人が1660円 残り3人が1665円という分け方でどうにかなったのだ。わたしは残念ながら5円多めに払う側だったが、美味しかったのでなんの文句もなかった。食べながらたくさん色んな話もした。明日また月曜日だ、課題の量が死ぬ、眠い、これは明日口臭いな、いろいろ言っていた。本当に楽しい時間だった。

よく考えれば、「大皿料理」に抵抗がある人もいるのではないだろうか。みんなでひとつの皿をつつく。この行為に誰一人文句を言わなかった。なんだ、うちら家族なのか。それくらい安心感があった食事だった。私もすごく今日のこの雰囲気が大好きだ。あたたかくて、みんなが幸せそうに食べていて、やさしい。いい時間だった。

帰りはそこから駅に向かうまでにわたしはメンバー3人にiPhoneを向け、シャッターを何度も切った。思い出作り。ふとした時に振り返ると面白いのだ。みんなそれぞれ面白くて、かわいい。今の学校に行ってないと出会えてない。このバンドを組めていない。私たちは来年、解散する。3年目の春に。後悔の兵隊が来ないように私は曲を書いて、円盤を作りたい。作るのだ。おそらくだけど、また私たちは大皿料理を取り分けて食べると思う。いや、私が食べようと誘う。あの空気感が忘れられない。今日は久しぶりにいい一日だと思える日になった。